ドラマ『最高のオバハン 中島ハルコ』をもっと楽しめるWEBマガジン

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田山涼成さんインタビュー

2021.04.11

昨日スタートした大地真央主演、オトナの土ドラ「最高のオバハン 中島ハルコ」。本作は、名古屋出身の毒舌スーパーレディ・中島ハルコ(大地真央)が、ひょんなことから知り合った庶民のダメンズ女子・菊池いづみ(松本まりか)を振り回しながら、東京と愛知を舞台に、世の中の悩みをぶった切っていく痛快ストーリーだ。

愛知ネタ満載でお届けする本作には県内出身俳優も数多く出演。ハルコといづみという凸凹コンビの周りを、名古屋城の石垣並みにガッチリ固めてくれている。そのトップバッターとして今回取り上げるのは、名古屋市出身の田山涼成。今夏で70歳を迎える今もテレビや映画、舞台に引っ張りだこ、芸歴59年目のベテラン俳優に話を聞いた。

実は林真理子ファン。オファー時、原作者の名に「やった!」

Q. 田山さんはどんな役ですか?

私が演じるのは名古屋の老舗ういろう屋「紫風堂(しふうどう)」の四代目にして、跡継ぎ問題を抱える三島昭宏。林真理子さんの原作にも、(東村アキコさんの)コミックにも出ている役です。コミックの昭宏には髪の毛、ありますけどね(笑)。原作つながりでお話すると、林真理子さんが40年程前に書かれた「ルンルンを買っておうちに帰ろう*」っていうエッセイが僕にとってはすごい強烈で。僕も田舎生まれだから、あの背伸び具合とか「わかる、わかる」って気持ちになったし、ちょっと上から目線なんだけど全然嫌味にならなくて、すごく面白くて。だから、このドラマのお話をいただいたときに「原作は林真理子さん」と聞いて「やった!」って思いましたね。
*林真理子の処女作で1982年発刊。女性の本音を赤裸々に描き、ベストセラーとなった作品。

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Q. 台本を読んだ感想は?

普段は人に見せない本音がいっぱいの台本で、とても面白かったですね~。特に、大地さん演じるハルコさんがズバズバ言うところ。でも(松本)まりか君が演じるいづみがちゃんと拾って、心の声でツッコミを入れるから嫌味には聞こえないんです。僕も普段、人間関係で「あ、コレ言っちゃうとヤバイかな」と心で抑えている部分があるんですけど、ハルコさんはとにかくバサバサ斬る!そんなハルコさんを昭宏は信奉しちゃっている感じで、ハルコさんの言うことを何でも「はい、はい」って聞いちゃうから、昭宏は"ドM"のように見えちゃう(笑)。それがまた台本の面白さでもあるんですよね。

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大地の占い師姿は「竜宮城の姫様」。大地に綺麗な(!?)方言指導も

Q. 大地さんとは初共演。どんな印象?

僕が知っているのは月組のトップスターのときからですよ!大地さんが宝塚歌劇団で現役だったころ、僕も舞台を観ていましたから、どんだけカッコイイんですか!って感じだし、ホントお綺麗。あの美貌とスタイルを保ってらっしゃるのも素晴らしいですよね。今回ドラマの中で大地さんが占い師の姿で出てくるところがあるんですけど、それがもう竜宮城の姫様みたいなんです!その占い師のシーンは注目の1つでもありますね。

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Q. 大地さんに名古屋弁の指導もされたとか。

方言というのは、自分のアイデンティティーみたいなところがありますので、今回、役として名古屋弁を話せるのはすごく嬉しいです。しかしながら、僕は東京に出てきて45年以上経っているわけでして、名古屋弁もどんどん変わってきているみたいで。名古屋市長の河村たかしさんが、お話されているのをきくと、僕のしゃべる名古屋弁に近いかなと思います。年も近いですしね。でも若い世代の方には「あんな言葉は喋ら~ん」て言われるかな(笑)。ただ名古屋弁で変わらないのは第3音が何気に上がること。例えば「ありがとう」は「あり"が"とう」、「さよなら」は「さよ"な"ら」。だから、名古屋弁っぽさで大地さんが迷われていたときに、第3音が上がること、僭越ながらお伝えしたと思いますね。

思い出の地・大須での撮影。田山の差し入れに、松本が絶賛!

Q. 愛知ロケ、印象に残った場所は?

なんといっても大須ですね。大須仁王門通商店街にある青柳ういろう*さんの店舗を借りて撮影をしました。今から50年程前、20歳の僕が知人と劇団を作ってアングラ演劇をしていたころの大須は、今の賑やかさとは違って空き家もいっぱいあったのですが、当時から青柳(ういろう)さんと大須ういろさんはきちんとしたお店がドン!とあったんですよ。本通りからちょっと路地を入ると「七ツ寺(ななつでら)共同スタジオ」という倉庫みたいな空間がありましてね。久しぶりの大須が懐かしく、撮影の合い間に探して歩いたら、まだありましたよ、綺麗になっていましたけどね。
*明治12年の創業、大須観音近くに店を構える老舗ういろう屋「青柳総本家」本店。

Q. 松本まりかさんが名古屋おやつは「田山さんの差し入れたのが1番」と。

まりか君が喜んでくれていたとはうれしいですね。あのみたらし団子は自分が久しぶりに食べたかっただけなんですけどね、あそこ*でいつもおじいさんが焼いているのを覚えていたので。焼かずにみたらし餡を上から乗っける東京のみたらし団子と違って、まず団子を焼いて、タレをつけて、もう1回焼くという、鰻と似ている焼き方です。東京だと鰻は蒸してから焼くけど、愛知はまず焼いて、何度もタレをつけて焼くんですよ。そういう味が口に残っていて懐かしくてね。まさか、あのまりか君がおじさんと同じ好みだったとは!
*50年以上つぎ足した秘伝のタレが香ばしい大須名物「新雀(しんすずめ)」団子

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Q. 一方、ご自身が好きな名古屋メシは?

煮込みうどん。何故かと言うと、妻と結婚して、名古屋の実家に来るわけですけど、彼女は東京育ちだから昆布だしに白味噌しか慣れてなく。「この味はダメかな?」と思ったけれど僕自身が食べたかったので一緒に食べたんですよ、名古屋人は熱々のものを食べるのが好きですからね。そのとき猫舌の妻がものすごく苦労して食べて、最後に「美味しい」と言ってくれました!今日もお土産で買って帰りますよ、妻から注文があったのでね(笑)。東京でも食べられますけど、名古屋の赤味噌はやっぱり味が違うと思うので。

Q. 視聴者に向けてメッセージをお願いします。

今週土曜の第2話は、私が演じる老舗ういろう屋の四代目・三島昭宏のお話です。世の中の風潮もあって、経営はうまくいってるような、いかないような。加えて五代目を育てなきゃいけないんですが、そこに問題が噴出し、頼りになるのはハルコさんだけ。一体どんなお願いをしたのか、ハルコさんはどうしてくれるのか、是非ご覧くださいませ!

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第2話ゲストとして、田山演じる昭宏の息子・三島隆行役に永嶋柊吾、そして愛知県豊川市出身で元SKEの小林亜実がひつまぶし屋「いとう」の娘・伊藤真澄役で登場する。ハルコが令和のお家騒動をどう斬るのか、乞うご期待!

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