祭人魂 毎週土曜 11:25~放送

伝統ある祭に情熱を燃やす「祭人」に焦点を当て、地元に息づく祭の魅力を浮き彫りにする。祭人魂─古から伝わる「祭」。その土地の「人々」の息吹が感じられ、「魂」が脈々と受け継がれていく

次回放送

#325

2021.1.9放送

祭り囃子の歴史 前編

東儀秀樹さん

心地良い郷愁に誘われる音色...。
思わず耳を傾けたくなる祭り囃子は、
「神様を囃立てる」という意味を持っている。
あまたある祭り囃子のルーツは、
大きく3つの伝統文化が元になったとされている。
【神楽】が基になったもの、【能楽】が基になったもの、
【都市の文化】から生まれたもの。
祭り囃子の元になったという神楽の古里、熱田神宮。
江戸時代、熱田神宮で行われていた神楽は、尾張や三河などに広がった。
熱田神宮に仕えた神楽師が地方に赴き、
民衆に出張演奏や笛太鼓の手ほどきをした。
こうして神楽は広がり、数々の祭り囃子が産声を上げたという。
しかし「楽譜」というモノは無く、
先人から代々、口伝によって編み出されてきた。
指使いや音程だけでなく、「気持ちを伝える」。
それは、五線紙にも数字譜にも書けないもの。
祭り囃子には、先人の古里への思いも込められている。
祭り囃子の起源と成り立ちを辿るのは、雅楽師で作曲家の東儀秀樹さん。
熱田神宮の神楽がもとになった祭り囃子は、
名古屋市の一角、東区筒井町で、いまも連綿と受け継がれていた。

※12月26日、1月2日は特別番組のため放送休止です。