祭人魂 毎週土曜 11:25~放送

伝統ある祭に情熱を燃やす「祭人」に焦点を当て、地元に息づく祭の魅力を浮き彫りにする。祭人魂─古から伝わる「祭」。その土地の「人々」の息吹が感じられ、「魂」が脈々と受け継がれていく

次回放送

#324

2020.12.19放送

石川・輪島市 能登の祭り文化 後編

福島智之(東海テレビアナウンサー)

石川県、能登半島北部・奥能登で受け継がれてきたキリコ祭り。
毎年7月から10月にかけ、能登半島各地で行われる。
キリコ(切籠)は巨大な灯籠で、「食の神様」を載せた神輿の
先導役し、道を照らす。神様とともに大事にされ、富の象徴としても
次第に豪華で大きくなっていった。
自然の恵みに感謝し行われるキリコ祭りの拡大に一役買ったのが、
江戸時代中期から明治時代にかけて、物流の一翼を担った北前船。
日本海に面した都道府県各地の特産物を売り買いしながら、
大阪と北海道を結んでいた商業船。
能登の米や、伝統の輪島塗漆器は、北前船によって全国へと一気に広がった。
一航海で千両稼ぐと言われ、現在の貨幣価値に換算するとおよそ一億円。
北前船によって潤った能登の豪商たちは、競い合うように、町のために、
そして祭りのために、多額の財を投じたという。
恵みに感謝する祭りは人々の共感を呼び、奥能登各地に広がっていった。
毎年10月に五穀豊穣を祈願しキリコ祭りを行う、輪島市町野町(まちのまち)。
今年は新型コロナの影響で、キリコや神輿を担ぐことはない。
秋の豊作を願う、大切な祭り。キリコは出せなくとも、祭りを心待ちにする人のために。
今年は、特別な祭りが催された。
今回、奥能登を訪れたのは、名古屋市で山車祭りに参加する福島智之アナウンサー。
人々が守り繋いできた祭りのルーツを辿り、能登の祭り文化を見つめる。